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参加振り返りメモ。【第2回 いい時間】明日から使える!メディアに掲載されるための広報戦略

【第2回 いい時間】明日から使える!メディアに掲載されるための広報戦略

http://iijikan.hateblo.jp/entry/2014/04/01/154709

に参加してきました。

 

いま自分自身が広告を始めとするプロモーションに携わっていて、

・メディアの枠を買うだけでは情報が届く範囲に限界がある

・枠買いを中心にする場合でも、メディア伝播を考慮する必要がある

と思っていたので、広報やPRの手法について学びたいと思っていました。

 

あと、「マーケティング部門の立場からでも広報的なアプローチはできるのか/どのようにすれば良いのか」というところを聞きたかったというのもあり、イベントに足を運びました。

 

メモをたくさん取ったのですが、頭の整理をするためブログにまとめました。

 

目次

メディア側のいい話。 

  • 最近のウェブメディアの特長を把握することが大事
  • メディアは事実だけが知りたいわけではない
  • メディアと付き合うときには・・・
  • メディアと付き合うときのヒント 
  • メディアが情報提供するときに心がけてほしいこと

広報側のいい話。 

  • 広報は何をする人?
  • 広報担当として以下のことができますか?
  • 広報として大切にしていること
  • 広報が情報発信の際に気をつけること

質疑応答

  • 岩本さんへの質問
  • 砂流さんへの質問
  • 2人への質問
  • 会場からの質疑

全体をふりかえって

 

ゲストはメディア記者の岩本 有平さんと(元)企業広報の砂流 恵介さんでした。

◆岩本 有平(いわもと ゆうへい)
メーカー系SIerを経て株式会社インプレス(現:株式会社インプレスR&D)に入社。月刊誌「INTERNET MAGAZINE」の編集に携わる。2005年よりシーネットネットワークスジャパン株式会社(現:朝日インタラクティブ株式会社)に入社。オンラインメディア「CNET Japan」の編集記者としてスタートアップから上場企業まで幅広く取材・記事執筆。2013年12月にはTHE BRIDGEと共催した「Japan Startup Award」の立ち上げにも携わる。2014年2月に同社を退社。2014年3月より、オンラインメディア「TechCrunch Japan」の編集記者を務める。

◆砂流 恵介(すながれ けいすけ)
1983年、広島県生まれ。秋葉原でPCショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年12月退社。手段を選ばないゲリラ的なPRを得意とする。

※ お金がないから頭を使う--日本エイサー広報・砂流恵介のゲリラ戦術がやばい
http://matome.naver.jp/odai/2138261979010999701

※ 8日間並んで買ったアップル福袋にガッカリしていたらAcerMacBook Air似の最新ウルトラブックをくれたでござる
http://rocketnews24.com/2013/01/17/285478/

引用:http://iijikan.hateblo.jp/entry/2014/04/01/154709

 

主催による紹介・開設の後に始まった、岩本さんのプレゼンからピックアップします。

 

メディア側のいい話。 

最近のウェブメディアの特長を把握することが大事

「速報系⇔解説系」と「ファクト系⇔オピニオン系」の2軸に分け、それぞれのメディア(新聞系、ビジネス誌系、など)をプロットして分析していました。メディアの定義自体は広くなっていて、メディアによって刺さるポイントもぜんぜん違うそうです。

たとえば、速報系には鮮度のある情報を、解説系には丁寧な資料や切り口の補助線など豊富な資料を提供するなど、相手に応じた情報の加工が重要なのだと思います。

 

メディアは事実だけが知りたいわけではない

メディアの性質によって求めるものは全然違うそうで、プレスリリースだけを送っても必ずしも記事にならないようです。プロダクトだけでなく、ストーリーや市場、さらに世の中の流れを考えた方がいいとのこと。

 

メディアと付き合うときには・・・

メディアと付き合う際には以下のことを気にしておいたほうが良いということでした。

  • 媒体ごとではなく、担当者ごとに記事を見てみる
  • 事前のコミュニケーションをこころがける
  • スケジュールはなるたけ自らコントロールする

ここは全く経験も繋がりもないので参考になりました。

「記事は朝一、昼間、帰る時間によく見られるので、その時間に出るように情報解禁時間はコントロールしたほうがよい」、「記者は朝や15時ごろ(東証が閉まる時間)にネタのチェックをするので、その時間を狙って情報提供する」など実情が聞けて面白かったです。

 

メディアと付き合うときのヒント 

  • コンタクトは知人の紹介がベスト
  • パートナーはよく考える
  • メディアに載ることをゴールにしない

自分の都合だけを考えた付き合いにしないことが重要なのだと思います。プレスリリースを出すのか、仲良くするのか、会社のこと知ってもらいたいのかをはっきりしておくなど、自他の利害を考えて付き合うということでしょう。

 

メディアが情報提供するときに心がけてほしいこと

  • 5W1H、データは明確に
  • コンパクトにまとめる
  • プレスキットを用意する
  • メールの表題や配信タイミングにも配慮を

この点は、通常のビジネス文書作成での配慮の延長かなと思います。ただし、記者側は一日に3桁通のメールを見るので、彼らの事情を考慮して情報を加工することが必要です。

ちなみに、プレスキットというのは、プレスリリース(PDF)や画像、動画など記者さんへの資料集一式。Wordは履歴が残ってしまうので注意すべきとのことでした。

 

広報側のいい話。 

次に、砂流さんのプレゼンです。ハッとすることをたくさん聞けました。

自己紹介のあと、恒例の師匠(嶋さん、中川さん)紹介が終わり、広報の方の説明がありました。ちなみに2人共スライドの要点がまとまっていて非常にわかりやすかったです。

 

広報は何をする人?

まず、広報担当って何をする人なのかの説明がありました。

  • なんでも使っていい人 (人でも商品でも)
  • くっつけていい人 (流行でも他社でも)
  • 遠回りしていい人 (女性誌に回って種まきするとか)
  • 中間地点にいる人 (メディアと自社のいい話/悪い話を聞ける)
  • 忘れられないようにする人 (自社の商品というのは、本来人の記憶にない)

普段お付き合いがあまりない職種なので、面白かったです。企業によるとも思いますが、予想以上に中間的な立ち位置でした。

 

広報担当として以下のことができますか?

このパートはハッとさせられました。

  • 製品、サービスの長所、短所をいくつ言えますか?
  • 製品、サービスをストーリーで語れますか?
  • 競合と自社の違いがわかりますか?
  • 業界の市場規模わかりますか?
  • 業界のトレンド説明できますか?

広報担当に限らない話だと思います。価値を生み出す部分である一方、分からなくても業務はこなしていける、差が出る部分なのかなと感じました。

 

広報として大切にしていること

さらに、広報の業務に落とし込まれていきました。

  • いろんな切り口から自社製品を語れる
  • 競合製品と比較で話ができる
  • 競合のPRもする(ガチ競合は入れなくても)
  • 業界を背負って話をする
  • 製品やサービスではなく、ライフスタイルや現象で話をする

最近はニュートラルな広告も見たりしますが、基本的には広告を作る際には抜け落ちがちな部分。メディアで話題になるには、自社(製品)のアピールだけでは話を聞いてもらいにくい。広告でコミュニケーションするときでも、発信後の将来まで配慮しておくべきなのかなと思います。

 

広報が情報発信の際に気をつけること

  • こういう記事の露出になる、を想像する。
  • ここだけは取って欲しいというキーワードを押さえておく。

実際にどのような取り上げられ方になるのか、特にどのキーワードは使って欲しいのか、ということを考慮して、情報を加工する必要があるということでした。

「他にも、リリースは、事実・結果だけでなく、予測される波及まで書いた方が良い」、「プレスリリースは話を聞いたタイミングで一度書いてみる」というようなノウハウも教えてもらいました。

上に書いた岩本さんの「情報提供するときに心がけること」とは必ずしも一致しないところが面白かったです。

 

質疑応答

ひと通りプレゼンが終わった後、質疑応答に入りました。

 

岩本さんへの質問

Q:条件反射的に乗せられてしまう事例は?

A:今までなかったテクノロジーとか、インパクトある数字とか。あとはツッコミどころのあるもの。

 

Q:これは違うなぁ、載せられないなぁ、というものは?

A:キャンペーン系。「ただキャンペーンあります」では載せづらい。メディアが載せる価値がない。「ユーザー○名突破」とかもそれだけでは厳しい。

 

Q:広報担当者がメディアに対して一番やっちゃいけないのは?

A:メディアごとに贔屓をする(と思われるような付き合い方をする)こと。

 

お金を払うわけではないので、あくまで対等な関係で、相手と自分の利害をくみ取ることが大事なようです。時間に限らず、贔屓していることが分かるとそりゃいい気はしません。

  

砂流さんへの質問

Q:こうすれば掲載されるというコツは?

A:一つ象徴的な事例が出たら、それをめっちゃ再利用する。シリーズ化する。それを続ける。瞬間で終わらせないようにする。

 

その他、砂流さんの過去の事例を聞く質問がいくつかありました。

 

2人への質問

Q:5年前と今で変わったことは?

A:ネットニュースが起点になってきた。それに伴い、必ずしもニュースじゃなくても掲載されるようになった。ネタでも掲載されるようになった。

  

Q:体系だった広報のスキルを学ぶところはある?

A:そういうコミュニティができ始めているし、資格もある。

 

新しいニュースでなくても話題になるというのは面白かったです。時流に乗っていて、面白ければ、昔のデータでも取り上げられる可能性はありそうです。

 

会場からの質疑

Q:メディアに対してのアプローチの方法は?

A:媒体の質によって違う。テレビは企画まで持って行く方が良い。新聞は企画は自社で作りたい。Webは中間。ネタは欲している。プレスリリースには返信しない。

 

Q:プレスリリースの書き方

A:「世界一」と安易に書かない。結局説明がいるから。ただ、情報の定点観測は場合によっては特集になる。

 

Q:ネガティブな状況の時のアプローチどうすればいい?

A:モメることがあるが、メディアの立場からすると、まずコントロール効かないと思ってもらう方が良い。広報は炎上したとき、謝るべきものは謝るが、基本的には燃料になるので無視。

 

全体をふりかえって

質疑後の懇親会でもゲストからも、ゲスト以外からも、勉強になる話を聞けました。

メディアのメリットになるのであれば、広報でなくても広報的アプローチはできると分かったことは個人的に大きな収穫でした。

 

各業界は、ユーザー、企業(組織)、メディアそれぞれがあって成り立っているもので、広報というのはその3者が重なっている部分にアプローチするような仕事なのかなと思いました。

 

次の日から使える学びがあった、とてもいい時間でした。