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高広伯彦さんの「デジタルマーケティング業界の新潮流〜インバウンドマーケティングは、従来のマーケティング志向のマインドセットを変える」メモ

5/28にSalesforce主催のセミナーで高広伯彦さんの話を聞きました。

 

この記事では、メモと記憶をもとに、講演内容を書き留めておきたいと思います。

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今までのマーケティングの姿

これまでのマーケティングは「ターゲットを狙う」という狩り(Hunt)のスタイルだった。そして広告はコンテンツとコンテンツの間に挟まるものであった。

 

まず、本題であるInbound marketingとの対義語であるOutbound marketingを以下のような特徴を持ったものだと捉える。

・「借り物」を使ったマーケティング。

・仲介者が集めた人々を、マーケッターが「借りる」・「買う」。このモデルの成立条件:仲介者(メディア)の抱える媒体訪問者=マーケターが狙うターゲットであること

・「(ターゲットにとって)不要なものをどう見てもらうか」ということを考えるためにクリエイターやプランナーが働く

 

しかし、近年は、「情報選択の時代」になり、人々は情報を選択、特に「無視」する能力が高まった。そして、自分たちの興味に沿うものが優先的に選択されるようになった。

 

さまざまなマーケティング概念の登場

1999年には Permission Marketingが提唱される

・相手に許可をもらってマーケティングをしようという考え

・ユーザー主導型マーケティングの萌芽

・対義語としてのInterruption marketingは、TVCM、ラジオCM、雑誌広告、新聞広告、テレマーケティング、ダイレクトメール、トレードショーが挙げられる

関連書籍)

The Intention Economy: When Customers Take Charge

The Intention Economy: When Customers Take Charge

インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press)

インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press)

 

2000年にはGoogle Adwordsの登場

1クリックの単価×クリック数=広告の価値というユーザー主導型の広告、直接民主主義的な広告が生まれる

ユーザーに支持される広告が良い広告≒広告であろうとも支持されるものは良い情報であるという考え。

 

2006年、Person of the Yearとして"You", Agency of the Yearとして"The Consumer"が選ばれる

・マーケターや代理店が考えるスケジュールとは別に、消費者の情報取得スケジュールが存在すると想定しなければならなくなった。

・「80年代まではほとんどの広告は広告主自身の手によって広められていた。しかし今は、広告の持っていた広めるという役割をユーザーが担っている。」

・ソーシャルメディアなどを使って、広告枠が買えないコミュニティや情報パイプラインができてしまっている。

 

2006年にDavid Meerman Scottが"The New Rules of Marketing & PR"を出版

マーケティングとPRの実践ネット戦略

マーケティングとPRの実践ネット戦略

今までのマーケティングは"Buy, Beg, or Bug their way in"。広告、メディアへのプレスリリース、営業マンへの報酬制度などは従来型のマーケティングだとされた。

・一方、これからのマーケティングは"Earn their way in"。自分たち自身で役に立つ情報を発信、ニュースリリース。

・「マーケターを雇う」から「ジャーナリストを雇う」へのシフトを主張。

 

Inbound Marketingとは

2005年にInbound Marketingが提唱される。

関連書籍)

Inbound Marketing: Get Found Using Google, Social Media, and Blogs (New Rules Social Media Series)

Inbound Marketing: Get Found Using Google, Social Media, and Blogs (New Rules Social Media Series)

インバウンド・マーケティング

インバウンド・マーケティング

・Outbound Marketingは見込み客の注意をメディアやリストを買うようなマーケティング。

・一方、Inbound Marketingは見込み客の注意を自社努力で獲得するというもの。

Inboundマーケティングで使われる手法自体は今まで従来から存在したものであり、それが"Inboundy"に使われているかどうかが重要。

MarketerはPublisher(コンテンツを作り、世に出す人々)になるべきだ

 

Inbound Marketingを実践するにはマーケターが以下のような考え方を持つことが必要

1.ユーザー、消費者、見込み客の視点を持つこと

2.情報拡散の主導権がマーケターだけのものではなくなった

3.マーケター自身が自らのマーケティング資産を作る時代

 

マーケティングスタイルの変容 

従来の狩り(Hunt)のスタイルではなく、これからのマーケティングは耕作(Harvest)のスタイルが求められるようになっていく。

「広告ではなく、コンテンツを作って自らの読者を得よう」、"Get found, get leads."という考え方が生まれる。

 

Inbound Marketingの利点と実践

自分の分野に関する検索のどれだけを自社のコンテンツがカバーできていない場合や、自分たちが出すに値する広告媒体がない場合はInboundyな施策が効果的な、時には無二のソリューションとなる。

さらに、Inbound Marketingはそもそも興味のある人が見つけてくれるようにするマーケティングのあり方なので、アイスブレイクやクロージングの手間が省ける時も多い。コンテンツを提供する=取引前のトライアル期間を提供する、というような位置づけとも言える。

 

実際に役に立つコンテンツの提供をする際には、

1.情報収集フェーズ

2.比較検討フェーズ

3.評価フェーズ

という消費者のフェーズを考えながらフェーズに応じたコンテンツを提供していく必要がある。

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と、記録と記憶の限りではこのような内容の話をしていました。話を聞く限り、売り込みの要素は一切無く、この講演自体が"Inboundy"なものだったと感じました。

 

この内容を起点に、色々考えたいことはあるのですが、できるだけ自分の意見で講演の内容を汚さないようにしたいので(参考:BLOG「芦田の毎日」: 福沢諭吉「独立のすすめ」感想文コンクールの審査結果が発表されました ― テキストを読むとは、何を意味するのか?)、この記事では講演内容のまとめに留めておきます。

自分の意見を提出する場を作りました。

新しくブログを作りました。

 

他で持っているブログでは語りにくい部分もあったりするので、自分の考えを提出する場所として、はてなでブログを開設しました。

 

書くことが得意ではありません。しかし、「できないからこそ始める」という考えでとりあえず始めます。

 

特定の読み手を想定しているわけではありませんが、「校長先生に自分の意見を伝える」感じで少しずつ書いていこうと考えています。